家を買うタイミングは?

検討する

「家を買うタイミング」というテーマは、多くの人が一生に一度の大きな買い物として慎重に検討する必要があるものです。
住宅を購入する際には、将来の生活計画や住宅市場の動向、金利の動向など、様々な要素を考慮して購入するタイミングを決める必要があります。
この記事では、家を買うタイミングについての重要なポイントを解説し、購入前に知っておくべき情報をまとめています。是非参考にしてみてください。

今家を買っても大丈夫?

2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻はまだまだ終わりが見えず、日本経済に対しても大きな影響を与えています。
土地や戸建て住宅の価格は横ばいで推移していますが、マンションは大きな値上がりが続いているというのが近年の状況でした。
しかし、2020年後半から2021年にかけて、マンションだけではなく土地や戸建ても価格上昇が見られ、2022年になるとウクライナ情勢の影響によって住宅価格はさらなる上昇を見せています。
原材料やエネルギーの価格高騰によって、建築資材の価格が高騰した影響で、新築価格が上昇。首都圏の新築マンション1戸当たりの平均価格は6288万円と最高価格を更新しました。
一戸建てでも2022年12月の平均価格は4424万円となっています。
新築が値上がりすると、中古を選ぶ人が増えるため、中古住宅の価格も上昇しています。
2021年のウッドショックや新型コロナウイルスの影響を与え、価格上昇が続いていましたが、ウクライナ情勢や物流業界の2024年問題を考慮すると、さらに住宅価格は上昇していくと見ていいでしょう。

金利について

近年は低金利が続いており、利息を含めた額が利息を含めた総額を抑えられるので家を買うタイミングとしては悪くありません。
条件次第では、金融機関が独自に設定した優遇金利を受けられれば、さらに低い金利でローンを借りられることも可能です。
ただし、変動金利で長期ローンを借り入れた場合、今後の社会情勢や経済動向によっては金利が上昇し、支払総額が増加する可能性は考慮しなければなりません。

金利上の可能性は?

日本銀行は新型コロナウイルスによる経済の落ち込みを防ぐため、大幅な金融緩和を続けていました。
しかし、世界的には金利は上昇傾向にあります。日銀も2022年12月10日に長期金利の変動幅を0.5%まで引き上げることを決定しました。
2023年1月の政策決定会合では現在の金融緩和を続けるものの、住宅ローンは世界経済の影響により上昇傾向にあります。
フラット35の金利は、2022年1月は1.300%だったのが、2023年1月は1.680%と1年で0.3%上昇。
固定金利も大手銀行も2023年1月から固定住宅ローンの金利を0.2~0.3%引き上げています。

市場動向との関係

国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査」によると家を購入した人の平均年齢は以下のようになっています。

世帯主の平均年齢

  • 新築分譲マンション:39.5歳
  • 中古マンション:43.6歳
  • 新築分譲一戸建て:37.2歳

家を購入した人の年齢は30~40代が7割を占めています。
現在、日本の初婚年齢が男性は31.0歳、女性が29.5歳なので、結婚や子どもの誕生、進学といったタイミングで購入するようです。
また、家を購入した際の平均世帯年収は住宅種別によって異なります。
新築の場合は700~840万円ほど、中古住宅は670~715万円ほどが平均値です。

家購入の自己資金

家を購入するために700万円から900万円程度を自己資金とし、残りを住宅ローンによる借り入れで補うというケースが一般的です。
30~40代で世帯収入が600~800万円程度になり、自己資金がある程度貯まったタイミングで家を購入するという傾向にあります。
自己資金は多いほうが、住宅ローンを含めた総支払額を抑えられます。
ただし、諸費用分の資金さえあれば、自己資金は無理に貯めなくても住宅購入は十分に可能です。
自己資金を貯めるのを待っていると、健康リスクが高まり住宅ローンを思うように借りられなくなる可能性もあります。

ライフスタイルとの関係

つづいては家を買うタイミングをライフスタイルから考えていきましょう。

就職のタイミングで家を購入

住宅を購入するタイミングとしてまず挙げられるのが就職です。
大学卒業後、就職したタイミングで一人暮らしを始めますが、家賃を支払うのがもったいないことを理由にコンパクトマンションの購入を考える方がでてきます。
住宅ローンは新卒入社後早ければ3ヶ月から契約可能です。入社直後は年収が低くても、返済期間が長く取れる分借入総額は大きくなります。
独身女性のマンション購入も増えています。
ただし、独身での購入は住み替えを前提とした購入がおすすめです。一人で住み続けるつもりでも結婚や介護など何が起こるかはわかりません。
いざというときは売却も検討して物件を選ぶといいでしょう。

結婚したとき

家を購入する動機で最も多いのが結婚です。
結婚を機に家を購入すれば、収入を家賃に回さなくてよくなります。住宅ローンの支払いは発生しますが、持ち家であるため自分たちの資産になるのがメリットです。
夫婦共働きであれば、夫婦の共有名義により住宅ローンを組む方法もあります。
夫婦共有名義であれば年収を組み合わせることで、お互いの年齢が若くても家を変える可能性があります。
また、共働きであれば、ローン債務者に万が一のことがあっても資金面の不安が少なくなります。
一方、デメリットもありますので、一本化するべきかどうかよく考えて決断しましょう。

子どもの誕生

結婚してすぐに家を買わなくても、子どもの誕生を機会として家の購入を考える人もいます。
この場合、目的としては子育てや子どもの教育に適した環境を用意する場合に多いです。出産後に家を買うことで、子どもの人数に合わせて部屋を確保できます。
また、子どもが小さいうちは集合住宅だと生活音が気になるところ。出産後、戸建てを購入することで、周囲に対して生活音を気にせず済みます。

子どもの進学

子どもが進学するタイミングで住む場所を変える場合、家を買うタイミングになるでしょう。
子どもの教育方針や自治体による支援、地域の治安など家以外にも検討する要素があるため、総合的に考える必要があるでしょう。
また、このタイミングだと世帯主の年齢が40代になっている場合もあるため、長期の住宅ローンを組んでも無理がないかも検討しなくてはなりません。

親と同居を始めるとき

高齢化社会が進み、親と同居する世帯が増えてきました。介護や年老いた親の一人暮らしを心配しての同居が増えています。
しかし、同居しようにも賃貸住宅では手狭だったり、バリアフリーの観点から不向きだったりします。
そのため、親と同居するタイミングで家を買うというのは珍しくありません。

老後に備えて

50代になると、老後に備えて家を買うという人が増えています。子育てが終了したタイミングや、定年退職後の生活を考えているためです。
一人暮らしでも、将来を見据え、家を買う人もいます。
ただし、この年代になると住宅ローンを組むことが難しくなります。住宅ローンの借り入れでは収入の安定性が重視されるため、完済年齢に制限を設ける金融機関が多いためです。
返済計画には注意が必要です。

定年退職をきっかけに

定年退職を機会に新しい家を買う人がいます。新しい環境で第二の人生を楽しむためです。
また、生活の充実だけではなく終活を目的にコンパクトな家に住み替えるケースもあります。この場合、一戸建てではなくマンションに住むパターンが多いようです。
コンパクトな家に住み替えることで、自然と身の回りを整理できます。

家の種類

家の種類によって費用は大きく変わります。

新築マンション

資産価値は高く、ローンの審査が通りやすくなるという点が挙げられます。
また、多くの場合、駅から近く、交通アクセスが良好な場所に建設されることが多いため、通勤・通学に便利な環境にあることも魅力の一つです。
しかし、新築マンションは建設途中、内装が見られないことがあるため、完成後に気に入らないと後悔する可能性があるという点が挙げられます。

中古マンション

リフォームを自分好みに行うことができるという利点があります。
また、周辺環境が整っている場合が多く、新築物件よりも安く購入できることも魅力的です。
一方で、中古マンションにはデメリットもあります。築年数によっては修繕費が高くかかる場合がありますし、設備や内装に不具合がある場合もあります。
そのため、購入前にしっかりと確認し、必要な修繕費用やリフォーム費用を把握しておくことが大切です。

新築戸建て

メリットとして、広々としたスペースを確保できることが挙げられます。
階下の住人や壁に近所の人の音を気にすることなく暮らせるため、プライバシーにも配慮しやすいでしょう。
一方、新築戸建てのデメリットとしては、住宅市場において価格の変動幅が大きく、価値減退が早いことが挙げられます。

中古戸建て

敷地面積が広く、自由度が高くなることがメリットとして挙げられます。立地条件を選びやすく、周辺環境もゆとりが持てる点も魅力的です。
一方で、耐震性に問題がある場合があることがデメリットとして挙げられます。
そのため、購入前には建物の状態をしっかり確認し、必要に応じて耐震補強工事を検討する必要があります。

まとめ

今回は家を買うタイミングについて説明しました。
家を買うタイミングにはさまざまな要因がありますが、最も重要なのは自分自身のライフスタイルや将来の計画に合わせたタイミングを見極めることです。
住宅市場の動向や金利の変動なども把握しておくことが大切です。家を買うことは生涯における大きな買い物の一つですので、じっくりと検討しましょう。